育児休暇を取れない理由
大学を卒業してから、新卒で事務職に就いていました。
入社して2年目で結婚し、5年目の時に妊娠が判明。
以前から「もし子供を授かったらすぐに報告してください」と上司に言われていたので、安定期に入る前から妊娠の報告をしました。
すると、明らかに嫌そうな顔で「うわっ…」とつぶやいた上司。
その後も、ブツブツと「参ったなぁ…」と独り言をつぶやいています。
その反応を見て、私も反射的に「すみません」と謝っていました。
私はもともと、産休と育休を取得してまた復職する気満々でした。
独身ではありましたが、女性社員は私以外にも数人在籍しているような環境です。
採用の時に渡された書類には、育児休暇にも対応していると記載されていました。
ところが、独り言をつぶやき終わった上司は、
「予定日は秋なんですね。じゃあ夏までは働けるかな」
「それまでに、今担当している分を他の人に回さないとね」
と話をどんどん進めていきます。
どことなく「出産を機に退職だね」と言いたげな内容でした。
私は、「そうですね、夏までは大丈夫です。出産後はまたお世話になりますね」と言いました。
すると、「以前もそう言いながら、結局戻ってこない人がいたんだよね」と告げられました。
育児休暇を取るだけ取って退職した人
どうやら、私が入社する前に「子供が保育園に入ったら復職します」と言っていたのに、「やっぱり忙しくなったので戻れません」と退職した女性がいたとのこと・・・。
しかも、一瞬だけ復職して、すぐに二人目を妊娠し、再び産休と育休を取得したそうです。
今度こそ、バリバリと働いてくれると思ったら退職宣言・・・という流れだったそうです。
その連絡を電話1本で済まされた上、裏では「育休手当目当てだった」と、言っていたという噂まで流れていました。
彼女が復職してくると見込んで用意していた席も無駄になり、上司は「もう育休はこりごり」と痛感したらしいです。
私はそんなことをするつもりは毛頭なく、しっかり育休を取った後は復職をするつもりでした。
しかし、その後も上司は「あと半年だね」「これからはのんびりできるね」といったようなセリフを並べます。
私が担当していた仕事は、後輩や同僚に割り当てられ・・・。
取引先には、勝手に「彼女は今年の夏までなんです」と伝えていました。
育児休暇の後に復帰をしたいのに・・・
何度か「育休を取得したいです。2人目は今のところ考えていませんので」と相談しましたが、「また時間に余裕があったら連絡ちょうだい」と言い渡されるだけでした。
つまり、育休をとらずそのまま退職し、また働きたくなったら再就職すればいい・・・ということなのでしょう。
確かに、会社的にはそのようなやり方でも同じような結果が得られます。
私が戻って来なかったら、別の人を雇えばいいだけです。
私が戻ってきたいと言えば、経験者として採用してくれるでしょう。
しかし、育休を取得するにあたり、得られる金銭的なメリットは非常に大きいです。
それに加え、「戻る職場がある」という立場は大きな安心感も得られます。
それだけでも、育休を取得するという意味では、私にとってとても大きなものでした。
結局、妊娠8ヶ月にあたる時期まで通常通り勤務しました。
その後、私は「一身上の都合で」退職することになったのです。
育児休暇の取得によって保育園への入園も大きく変わる
子供が1歳になり、保育園を探そうとしましたが、
「育休中で復職が決定している人しか入れない。これから保育園を探して就職先も探す、という状態ならかなり厳しいです」
と言い渡されました。
実際のところ、周囲のママ友も、
「育休中だけど、保育園に全落ちした」「家から遠いところしか通らなかった」
と言っている人が多かったです。
そんな状況なのに、専業主婦の私が保育園に入園できるはずもなく・・・。
結局、ダメ元で順番待ちをしていますが、未だに保育園からの声はかかっていません。
やはり、これから就職活動をする人と、育休を取得している人とでは、保育園を決定する際の点数に大きな違いがあるようです。
ちなみに、元上司から、
「久しぶりですね、お子さんはお元気ですか?ちょっと人手が足りなくて、アルバイトでいいので手伝ってくれませんか?」
と電話がかかってきたことが1度だけありました。
保育園に入れなかったと伝えると、それっきり連絡は途絶えてしまいましたが・・・。
複雑なのは、ママ友の中に、
「計画的に年子で2人目を作った。産休と育休を3年ぐらい取得しているが、復職する気は無い」
と言っている人が何人かいることです。
最初から保育園を探さず、幼稚園を見学しまくっているママもいました。
にもかかわらず、
「最初から育休を3年取得しておいたの」「それなのに、育休手当は最初の1年しか出ない。こんなのおかしい」
と不満を並べていました。
正直なところ、このような考え方をする女性がいるから、育休に対する悪いイメージがつくのではないかと思います。
育休は、働くママ達にとってとてもありがたい制度なので、悪用せず平等に利用できる世の中になればと願っています。